開運グッズや祈とうサービスなどで得た所得を隠し、法人税約6400万円を脱税したとして、大阪地検特捜部は11日、大阪市淀川区の通信販売会社「アドライン」(解散)の実質的経営者・河本大介容疑者(34)(大阪市福島区)ら5人を法人税法違反容疑で逮捕し、大阪国税局と合同で関係先を捜索した。
他の4人は、同社担当の税理士だった大阪国税局OBの野上孝行容疑者(47)(大阪府泉佐野市)や同社関係者ら。
捜査関係者によると、同社は平成22年4月設立し、23年6月末に解散。ブレスレット販売のほか四柱推命や風水などの占いを利用した人生相談や鑑定業務などを実施し、計約7億円の売り上げがあった。同社などは24年11月、「除霊しないと大変なことになる」と祈(き)祷(とう)をしつこく勧誘したことなどが特定商取引法違反にあたるとして、消費者庁から勧誘販売で6カ月、通信販売で3カ月の業務停止命令を受けていた。
大阪国税局をめぐっては、ラブホテル運営会社の脱税を顧問税理士の立場で手助けしたとして、大阪地検特捜部が7月、消費税法違反などの幇助(ほうじょ)罪で、元大阪国税局南税務署長を在宅起訴している。