開運商法で得た所得を隠したとして、大阪市の開運グッズ販売会社「アドライン」(解散)元幹部らが逮捕された脱税事件で、元幹部らが別の会社でも法人税約3千万円を脱税したとして、大阪地検特捜部は2日、法人税法違反容疑で、元実質経営者の河本大介被告(34)や脱税を指南した大阪国税局OB税理士の野上孝行被告(47)ら4人=いずれも同法違反罪で起訴=を再逮捕した。特捜部は4人の認否を明らかにしていない。

再逮捕容疑は平成22年11月~23年10月、三重県の宗教法人から架空仕入れを計上する手口で、大阪市の別の開運グッズ販売会社「ジェイコーポレーション」の所得約1億300万円を隠し、法人税約3千万円を免れたとしている。

捜査関係者によると、同社は22年11月設立。ブレスレットなど開運グッズの販売などを通じ、約4億4千万円を売り上げた。アドライン社と同様に、購入者に対し「除霊しないと大変なことになる」などと宗教法人での祈祷(きとう)をしつこく勧誘。インターネット上などで悪評が広がったため、消費者庁は24年11月、特定商取引法に基づく業務停止命令を出し、直後の同月末に解散していた。

特捜部はアドライン社の脱税事件で河本容疑者ら5人を逮捕したが、4人のみを1日に起訴し、残る1人は処分保留で釈放した。

 

逮捕容疑は、2011年10月期までの1年間、数珠の販売や祈とうサービスで約4億円の売り上げがあったのに、三重県内の宗教法人に架空の経費を支払ったと見せかけて約1億円の所得を隠し、法人税約3000万円を脱税したとされる。

 4被告は別会社の「アドライン」(大阪市淀川区、解散)でも同様の手口で約6500万円を脱税したとして起訴された。【高瀬浩平、原田啓之】