大阪国税局の税務調査をめぐる贈収賄事件で、脱税に協力する謝礼として同局職員に現金120万円を渡したなどとして、贈賄罪や法人税法違反罪などに問われた同局OBの元税理士、細名高司被告(62)の初公判が26日、大阪地裁(遠藤邦彦裁判長)で開かれた。細名被告は「謝礼として渡したことはない」と贈賄罪の起訴内容を否認し、弁護側は無罪を主張。法人税など約2億7千万円の脱税は一部を否認した。

 加重収賄罪などで起訴された元同局上席国税調査官の平良辰夫被告(44)は、昨年9月からの公判で起訴内容を否認している。

 検察側は冒頭陳述で、細名被告が同局の内部資料を入手し、顧問先の個人や企業に対し「言う通りにすればばれない」などと脱税を持ちかけたと主張した。

 起訴状によると、細名被告は平成23年9月、税務調査の日程を教えてもらった謝礼に平良被告に現金を渡したほか、顧問先の法人税などを脱税したとされる。